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第33話 暖炉の火の傍

last update 最終更新日: 2025-05-15 11:26:59
パチパチ…暖炉の中の火がはぜる音

暖炉に薪を焚べながら

温かな飲み物を口にするエリンシア

久しぶりのココア

冬の此処では貴重な異国からのココアに

2杯目には蜂蜜入りのミルク

アーサーが手に入れてくれた白の国の果実

白の国の果実をジャムにしたものを焼いたパンの上に乗せ、口にする

そうして、次にはドアが開く

廊下にいる人物達

「エリンシア」アーサーが優しく笑う

二人の召使いも一緒だった

「薪を取ってきた、他にもね

体調は大丈夫かい?」ゆ

簡易の小さな温室て作っている野菜に

鶏の卵、外にある雪の祠で保存している森のモンスターの肉など

「家畜のミルクを忘れた、後でねエリンシア」

「奥様、ではまた」部屋で使う薪以外の荷物を召使いが持って、立ち去る。

彼の言葉に微笑して、頷くエリンシア

エリンシアの額に手をあて

ああ、大丈夫そうだね、とても心配したよ忘れずに薬師から貰った薬を飲んだかい」

サラサラと小さい手の平サイズの黒板に

「大丈夫よ、ありがとう、ココアに果実まで、凄く嬉しいわ」

「どういたしまして、愛しく麗しい私の奥様」

彼に抱きしめられ、くすくすっとエリンシアはくすぐったそうに楽しそうに笑う。

窓辺からは白い雪が見える

雪の中の小道、小さな馬車

近くに住む子供連れの行商人が小さい馬車に乗り、通り過ぎるが窓辺から見えた。

「行商人のヨアンナか、夕方に彼女が川魚と鹿肉と小麦粉を届けてくれるそうだ」

ヨアンナの小さい子供達 可愛い子供

子供…子供

エリンシアの記憶が重なり、よぎる

私の産んだエイル 大事な恋人の忘れ形見のエイル、エルトニア

小さかった慕ってくれた黒の王様の子供達

小さなアジュアリ王子さま

あんなに小さく可愛い子供、死んでしまった

死んでしまった黒の王妃に

はからずも愛してしまった黒の王

王女ティンタル姫さま

リュース公女、アルテイシア姫

再会したティンタル姫、王女の悲痛な境遇

皆、どうしている?エイル、ティ

エリンシアの瞳から涙が溢れた

「どうしたの?エリンシア、私の奥方さま」心配そうに聞くアーサー

エリンシアは彼に抱きつき

彼の胸に顔を埋め

「辛い事を思い出した?元気になったら、近隣の綺麗な場所に行こうか?

また、白の国や黒の国の食べものを沢山、手に入れる予定だから」

「それとも、本当は君が望むなら、白の国へ」

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  • 羽琴の姫君…羽琴をつま弾く哀しき姫の願いと流転する悲劇の果て2   第25話 王と王妃のさだめ

    王妃達とエリンシアが中庭でおた一時を過ごしていた。「まあ、また私に魔法画の赤い子供の竜が懐いてるわね」王妃の肩に赤い子供の竜が、とまったり、膝で一回転をしたりする。そして、傍にあるサクランボのパイをかじったり!その後、アリアン王妃をとても、嬉しいそうに見ている赤い子供の竜「本当ね、御母様」ティンタル王女が笑う「……」そんな様子を見ながら、赤い子供の竜が黒の王子アーシュランがモデルだと言う話を思い出すエリンシアもしかして、王子は王妃を慕っていたのかも知れない。魔法画の白鳥の方は、まだ幼児の弟王子アジュアリに寄り添うアジュアリ王子は嬉しそうに笑っている。「うふふ、お母しゃま、エリンシア」「あら、何かしら?」「なんですの、王子様?」ジッと二人を見て笑った後で、アジュアリ王子は金色の瞳を輝かせて一言。「大好き、お母しやま、エリンシア」「エリンシア、大好き、ずっと一緒」「あらまあ、うふふ、アジュアリ王子はエリンシア姫が大好きですって」アリアン王妃「ま、光栄ですわ、王子様」「風が強くなってきたわ、部屋に行きましょうか?エリンシア姫、また、後で、羽琴の演奏をお願いするわ」「はい、王妃様」◆ ◆ ◆執務室に王とリュース公がいた。「二カ月以内に、エリンシア姫と娘のティを預かってくれ、リュース公」王青く、硬い表情でリュース公は頷く「…運命の時間ですか?」「ああ、どうやっても抗えない、エリンシア姫とティ、ティンタル王女だけは時期を外せば逃れ、助かる」「王」「私と王妃とアジュアリ王子は…仮に王都を離れても、殺される運命だ」「私の王、アージェント、アージェン」「ふむ、その呼び方は、そなたリュース公リジャイアスが昔、女性体で私の恋人だった頃の呼び方だ」「私は両性体で、兄が亡くなりましたから、今では男性体になりましたから、可愛い娘もいますので」 「今は私は、昔、以前の女性体でも、恋人でもありませんが、家臣として、友人として、どれ程、貴方が大事かは分かるはずです」「リジャイアス」彼の頬、浮かんだリジャイアスの涙を指先で拭う◆ ◆ ◆執務室の外、廊下に通りすがりのエリンシアがいた。聞こえてきた会話、ドアが少し開いていたのだった。「王、貴方は狂王の父親から、私を守ってくれた」「ああ、父親、あの男は戦上手であったが、残忍で、狂っ

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